2025年7月下旬、トロント大学のサマーアカデミーに参加しました。
International English Program(IEP)という約3週間の短期プログラムで、「Leadership & Management」を受講。
英語力をさらに伸ばしたい、学びのステージを一歩進めたいとの思いで参加したこのプログラムは、私の中に「学び続けたい」という気持ちをしっかり根づかせてくれました。
今回はその体験を、英語学習を続けながら「次の一歩」を探している方に向けて綴ってみたいと思います。
参加のきっかけ
カナダ企業でインターン経験はできたけれど、まだ自分の中で足りないものがあると感じていました。それは自分自身のキャリアを考えたとき、マネジメントの経験がないことでした。
マネジメントについて考えたきっかけは、カナダで出会った翻訳経験者の方に、プロジェクトマネジメントに進むのもどうか?とアドバイスを頂いた時です。確かに30代で転職活動するなら、どんなことを求められるかな?と考えると、思い出すのは前職の上司がやっていたことと言えば、マネジメントです。ただ私は30歳で退職したため、マネジメントに関する経験が正直ありませんでした。それなら、せめて知識だけでも得ておきたいと思い、今回トロント大学にてサマーアカデミーを知り、帰国前にワーホリで貯めたお金で参加を決意しました。
参加前の英語力や不安だったこと
「Leadership&Management」コースは原則Intermediateレベルの英語力が必要になります。既に語学学校を上級レベルで卒業していたので、英語力は問題なくレベルテストも受けずに、受講することができました。
参加前の不安は、ぎりぎりまでインターンと有給の仕事をしていたので、生活習慣がまた変わることによる新しい環境へ適応できるかでした。2週間目からは毎日5分前やギリギリ1分前に出席して、なんとか無遅刻無欠席で受講することができました(笑)
サマーアカデミーのプログラム内容
授業内容とアクティビティ
午前と午後のクラスがそれぞれあり、私が受講したコースは午前クラスの「Leadership&Management」のみです。
その他に、一般英語クラス、アカデミック英語クラス、専門分野を学ぶ授業がありました。本来はレベルテストを受講して、一般英語クラスなら初級、中級、上級に振り分けられます。
夕方にはナイトアクティビティがあり、夜6時か7時くらいに集まって、トロントの観光名所に引率してくれる大学生の方と一緒に出掛けます。
アクティビティ例(一部有料)
- ケベックやモントリオールへの2泊3日旅行
- カヌー体験
- Eaten CentreやYorkdale Mallなどのショッピングモールへ買い物
- ワークショップでペイント体験に参加
- バスケや野球の試合観戦
- CNタワーやCasa Lomaへの観光
Leadership & Management Course
1週間目に基本的な知識を身につけます。
- リーダーシップとマネジメントの違い
- 様々なケーススタディを用いて、ディスカッションと小発表の繰り返し
- 自分自身のパーソナリティーとリーダーシップの特性の把握
- 周りにどんなリーダーシップスタイルと行動特性があるか
2週間目からはチームでプロジェクトに取り掛かります。シナリオは実際に企業が抱えている問題を分析し、課題解決について話し合い、最終的に企業の重役に向けてプレゼンテーションを行います。ただ解決策を考えるのではなく、マネジメントという視点を用いながら、短期、中期、長期の各期間ごとに解決策を考え、課題と照らし合わせながら、最後に最善の選択肢を決定します。
3週間目は各チーム、約20分間のプレゼンテーションを行います。その後、先生よりフィードバックをもらい、コース最終日に条件を満たしていれば、Certificateの取得が可能です。
授業で印象に残ったこと
授業内容がビジネスに関する内容であり、かつ、マネジメントやリーダーシップを取り入れているので、ディスカッション中も容易に答えが出せないのが大変でした。
まず自分自身を識っていく、次に相手がどんな人なのかを見極める必要がありました。グループワークを通して、様々に意見交換をしながら、最良の選択は何かを突き詰めていきます。
英語力やコミュニケーション力にどんな変化を感じたか?
ビジネスに関する語彙や表現を学ぶことはもちろんですが、もしマネージャーでマネジメントする立場なら、どんな風に考える必要があるのか、という新しい視点を得ることができました。働いていた時に、以前上司がやっていたことが「こういうことだったんだ…」と理解に繋がり、コミュニケーションを取る上で、傾聴し相手にどう言葉をかけるか、伝え方にも注目するようになりました。
プログラム中の生活
現地生活はどんな感じ?
基本的に生徒は寮に滞在するので、衣食住すべてが完結しています。食事は領内のカフェテリアでできます。トロント大学は敷地も広く、チャイナタウンやダウンタウンにもアクセスしやすい立地にあります。
生徒の国籍割合は日本、台湾、中国、中東、ヨーロッパや南米より、学生から社会人まで幅広い年齢層で参加されています。受講したクラスではモチベーションも高く、それぞれの国ごとに働く環境や文化、価値観についてシェアしてくれました。
文化の違いで戸惑ったこと
特に大変だったのは授業でのディスカッションです。生徒それぞれ文化的背景が違う部分もありますので、議論がヒートアップすることもありました。また言葉の言い回しによって、受け取り方も変わることを実感しました。ですが、相手へのリスペクトを忘れないことを心がけて、チームみんなで辛抱強く相手の話に耳を傾けることを実践しました。最終的に、2週間のグループワークでのプロジェクトを成功させることができました。
自分自身の変化
サマーアカデミーが終わっても、自分の中に「学び続けたい」という気持ちが根づいたように感じます。また海外には成長しやすい土台があると感じました。大学卒業後、日本では「学びたい」と思えるような環境に出会うことが少なく、どこか物足りなさを感じていたのかもしれません。
でも今は、帰国後も日本で新しいことを学べる環境を探すようになり、挑戦は一度きりではなく、形を変えて続いていくものだと実感しています。現在はブログ執筆を通して、自分の経験を言葉にすることにも挑戦中です。学びの場はどこにでもある——と再認識できるようになったのは、私にとって留学を経て得た大きな変化のひとつです。
これから挑戦する人へのメッセージ
サマーアカデミーは約3週間のプログラムです。授業とアクティビティを通して現地の生活や文化を知ることができますので、留学が初めての方には最初の一歩としておススメです。
また語学学校で上級レベルを合格したあと、自身の英語力がまだ足りないなと感じるなら、こういった短期のプログラムで、ビジネス関連や専門知識を身につけることにチャレンジしてみるのがいいと思います。そうすれば、ご自身のキャリアのステップアップに繋げるチャンスです。
「30代からの挑戦で大丈夫かな? いまさら遅いのでは?」と感じるかもしれませんが「今日が人生で一番若い日」という言葉があります。だから私は遅くないと思っていますし、30代だけに留まらず、40代50代でもそれは変わらないと思います。いざ挑戦してみると、できた達成感を味わうこともあれば、期待していた通りでないこともあります。でも知ってよかったと思うし、次に何か繋げようとすることで、また違う選択肢が生まれます。そうやって自分の人生を作っていきたいです。
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