英語より大事な“姿勢”【インターンシップ体験談】

トロント留学

 2025年7月末ごろ、約1年続けたインターンシップが終わりました。2年前に社会人留学を決め、その選択は私にとって大事な働き方の再発見につながりました。

今回は現地企業でのインターンを通して“Be Active”という姿勢が職場でどのように作用したのか、どんなことを考えながら働いていたか、その体験談についてお話しします。

カナダへ社会人留学をした理由

それは高校時代に憧れだった通訳翻訳へのキャリアチェンジをするためです。当時は英語力が足りないと感じていたので、その職業に就くことは諦めていました。

「でも30歳(当時)の今だったら、チャレンジができるのではないか?」 と思いました。昔みたいに紙の辞書や電子辞書を使って単語を一つ一つ探してではなくて、当時よりも様々な勉強方法が発信されています。それならチャレンジしてみようと思って留学することにしました。

まずは学生ビザを使って、語学学校で英語力をしっかりつけた上で、ワーキングホリデーに切り替え、カナダの職場でネイティブとどこまでコミュニケーションを図れるのか、実際に海外のオフィスで働くのはどんな感じか知りたくて、約1年間インターンシップを続けてきました。

ちなみに留学先にカナダを選んだ理由は、過去に留学経験があり、また知り合いがいたからです。カナダはコネクションがメインなので、知り合いから情報がもらえる場所として選びました。

インターンのリアル

応募方法

語学学校のインターンシッププログラムに申し込みをして、企業様を紹介頂きました。準備期間は1ヶ月ほどです。主に、履歴書添削と面接の練習をそれぞれ三回ずつ行いました。

カナダの職場文化やコミュニケーションスタイル

コミュニケーションにおいては、自分から積極的にアプローチしていく姿勢が重要です。日本のように細かく教えてもらうではなく、分からないことは自分から聞くこと。そしてオフィスで実践あるのみでした。

また静かな環境で、最初は「どうやって人間関係を築いていけばいいんだろう…」と話しかけるのをためらっていました。みなさん各自で集中すべき仕事があるので、和気あいあいと話すような雰囲気ではありません。

わたしがまず行ったのは、出勤時に初対面の方と顔を合わせる機会があれば、積極的に「みなさんの顔と名前を覚えたいので教えてください」と伝えます。話しかけると皆さん笑顔で雑談をしてくれました。別の機会では、普段はどんな業務をしているのかや、今携わっているプロジェクトについて質問して自分から話しかけるようにしました。

上司の方は、もっと声をかけるタイミングが難しかったです。出勤していても、会議の連続でスモールトークすらできる時間もないことが多かったです。なので、メールで報連相を重点的にしていました。直接話せるタイミングがあれば、席まで行ってあいさつしながら、「何かお手伝いできることはありますか」と聞きに行きます。退勤時間になれば、「今日はこれをやりました」とか「今ここまで進めています」など進捗状況を報告して、自分が何をやっているか伝えるようにして接点を作るようにしまいした。

“Be Active”主体的に動いていくこと

忙しい環境なので、自分のタスクが終わっても指示を待つタイミングがありました。ただ、上司の方がミーティング中で話しかけることもできない場合は周りの人に、「今でしたら手が空いているので、お手伝いできることはありますか?」や、「Excelでリスト作りをしていますが、タスクがあればやります!」と自分から提案もしました。

苦労したこと

もちろん英語での会話に苦労したこともあります。ネイティブの会話のスピードについていくのが難しく聞き取れないこともありました。でも分からないことを分からないままにしない。その都度、自分が何を理解しているのか、していないのかを把握するようにしました。一方で、少しづつでも英語力が上がるように、通勤前後の隙間時間にシャドーイングやディクテーションも取り入れたおかげで、徐々に聞き取りにも慣れてコミュニケーションの改善にもつながりました。

伝え方も「ここまではわかったけど、ここから先がわからない」という風により具体的に相手にも伝わるように意識します。「とりあえず、これでやってみたけど、どうですか?」と確認して、少なくとも仕事に対する熱意や学ぶ姿勢を見せることが大事だと思っています。

主な仕事内容 

基本的には事務仕事なのですが、いろいろなタスクを任せて頂きました。

  • リスト、または資料作り
  • クライアントへのメール
  • リサーチング
  • 翻訳プロジェクトの受注管理
  • 銀行での入金手続き

仕事をする上で生産性を意識して、自分のやっているタスクはどれくらいの時間がかかっているのか、毎回記録をつけておくようにしました。例えば500人の名簿リストをエクセルに作るのに、2時間半から3時間くらいかかる。1時間で何人分を作れるのかとだいたいペースがわかれば、300人の名簿なら、1時間半ほどかかりますと伝えられるので、周りの方も目途が立てやすいと感じたからです。

感じた成長や気づき

劇的に変化したというものは感じていません。ただ、自分の行動スタイルの「再発見」に繋げることができました。積極性は海外の職場でも通用するし、相手との信頼関係を築くことができました。最初の数カ月間はぎこちなさがありましたが、つたなくても自分からコミュニケーションを図っていくことで、自然と「これ手伝ってくれない?」と任せてもらえるようにもなりました。文化が違っても、英語で多少つたなかったとしても、自分から行動することで評価につながったと思います。

無給でも働き続けた理由

ワーホリで稼げると言われる時代で、無給で働く意味はあるのか?と思うかもしれません。

確かにそうかもしれませんが、そこで自分が何を得たいかを考えた時、私は通訳翻訳に関連する経験を績むこと、それに関連するスキルを得ることでした。そのためのステップとしてインターン先に残っていたのです。さらに翻訳会社で働いたことで、ビジネススキルも身に着けられました。実際に、翻訳プロジェクトに携わっている方に直接お話を聴く機会もえられます。たとえ無給だとしてもこの経験は本当に貴重なものです。

今振り返って、留学前の自分にアドバイスするなら?

チャンスはどこにあるか分からないし、将来、何処に繋がっているかも分からない。

だけど、今の自分にできることをやっていくこと、足りないのなら、何があればいいのか考えて行動することが一番。続けてきて本当に良かったと思っているので、後悔はしていません。

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